2010年3月5日金曜日

医療業界におけるコモンデータベースの有用性

大前研一さんの提唱する”コモンデータベース”
大前研一「ニュースの視点」blog
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/index.php


医療業界における有用性をまとめてみた


1.患者固有の特性(食物アレルギー、薬による副作用歴など)
2.病歴、薬の服用歴
3.家族の病歴、遺伝病など
4.血液検査、尿検査や、画像診断などの検査結果
5.健康保険
6.患者の名前、住所、生年月日など

これらを全ての医療機関が、患者に確認するまでもなく
データベースにアクセスすれば瞬時に手に入る
非常に効率的だ


救急で運ばれてきて患者の意識がないときでも
1を見れば禁忌の薬がわかるし

患者が何を飲んでいるのか覚えてなくても
2を見れば服用中の薬がわかる
(既存のお薬手帳は不要になる)

向精神薬を、複数の医療機関から必要以上にもらうことは現在可能だが
2の情報が参照できれば、それも阻止できる

薬局薬剤師は(患者が見せてくれない限り)検査結果を参照できないが
4の情報にアクセスすれば、肝機能や腎機能に異常がないか知ることができる
転院した場合も、前いた病院ではなく、データベースにアクセスすれば検査結果が手に入る

その人が健康保険を持っているかどうか?請求先はどこか?
5にアクセスすればOKだ

さらに、現行のように保険番号は変わらない(国民IDで管理)ので
保険証の再発行や、番号が変わる煩雑さも解消される
レセプトの返戻もゼロになり、請求もリアルタイムに自動で行われるシステムにすれば
月初にまとめて請求する必要もない


患者の側から見ても有用だ
新しい病院・薬局に行くたびに、名前・住所・生年月日などを書かされる
「さっき病院で書いたよ」「面倒くさい」という人は多い
これも6などにアクセスすればOK




もちろん医療情報にアクセスできるのは医療機関だけにすべきだし
医療に関係のない情報(税務や選挙)には、医療機関からはアクセスできない

以上のようなデータベースが構築できれば
医療業界の効率性が飛躍的に向上し、医療従事者は本来すべきことに注力できる
結果、医療の質は向上し、患者はその恩恵に与る
素晴らしい


ただ、情けないことに医療業界のインターネット普及率は低い
まずは全医療機関にインターネット環境が整わない限りはお話にならない
レセプト請求オンライン化程度でブーブー言うようではまだまだ
本当に医療業界は遅れている