2011年12月20日火曜日

現役時の課税を引退後に先送りするメリット

先日書いた、確定拠出年金のメリットの続き。

課税は現役時よりも引退後に先送りした方がいいという点について、メリットをまとめました。


1.単純に税額が減る

まず、所得税はこちら
国税庁 No.2260 所得税の税率
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm


現役時も引退後も、同じ税率で上記の所得税が課されますが、もらった金額まるまる課税はされません。「控除」によって、一部金額が非課税になります。

現役時(つまり給与所得者)の場合はこちら。
国税庁 No.1410 給与所得控除
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm


そして、引退後の場合はこちら
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm


うーん、なんで税制ってこんなにややこしいんでしょう。
もらった金額の一律10%のみ、以上!とかにならないですかね。


それはさておき、支払う税金は
現役時=(年収-給与所得者控除)×税率-控除
引退後=(年収-公的年金等控除)×税率-控除

例えば、現役時に700万受け取る場合と、そのうち200万を引退後に回し、現役時には500万受け取る場合。

前者が支払う税額:595,000円
後者が支払う税額:264,500円+56,250円
(その他の条件はすべて無視しています)

現役時に全部受け取って、全部に課税されるよりは
いくらか引退後に回した方がオトクなようです

これは、年金所得が優遇されているというよりも(下図参照)、単に所得税の累進性(より稼ぐ人からより多く取るシステム)のせいです。つまり夫婦別々に年収500万稼ぐよりも、夫が一人で年収1000万稼ぐ方が支払う税金が多いのと同じ。


給与所得者と年金受給者の年収別控除額をグラフにしてみました。
両者さほど大きな差はないようですね。





2.支出の先延ばし

仮に、現役時に払おうが引退後に払おうが同じ税額だったとしても、それでも引退後に払ったほうがお得です。

投資を嗜んでいる人には常識ですが、実はお金の価値は時間経過によって変化します。今払う1万円と、1年後に払う1万円は同じではありません。

例えば定期預金1年ものの金利が1%あるとき、1年後の10,000円は10,100円になります(税金は除く)。つまり、1年後に10,000円払うということは、今9,901円を払うのと同じ。なぜなら9,901円を定期預金に入れておけば、1年後に10,000円になるからです。(実際には定期預金の金利を参考にはしません)

なので、同じ額の税金を納めないといけないとしても、今払うのと30年後に払うのとではまったく違います。もちろん後者の方が断然有利です。



以上の理由により、課税は引退後に回した方がオトクです。
それができる401kは、サラリーマンが使える数少ない税優遇手段。

まぁ、それでも私は401kを利用しませんけども^^;

私が確定拠出年金を使わない理由