2012年8月20日月曜日

医薬品卸業界が今後求められる方向性

一般業界で「卸不要論」はだいぶ前から言われていますが、こと医療業界においてはそんな話は聞いたことがありません。理由としては

1.小売店の数が多すぎること
2.零細規模の小売店が多すぎること
3.メーカーも小売りも直接取引を望んでいないこと

あたりでしょうか?
そう考えると、確かに医薬品卸は必要不可欠です。

しかし、今のままでいいともまったく思いません。
まずは”淘汰”、続いて”構造改革”が必要です。


卸はスケールメリットが働く典型的な業種で、残念ながら多くの中小零細卸の存在意義は(社会全体の効率を考えれば)ありません。ゆえに淘汰が必要になります。


どこが生き残るかですが、現状はメディセオのひとり勝ちだと思います。規模はもちろん首位ですし、大規模物流センターを構築して荷造りをシステム化、検品を不要としています。さらに便数も多く、土曜も営業。「休日対応なもので」とか言いません。

また、発注はorder-epiというサイトを通して行います。オンライン発注であるメリットに加え、”分割発注”が可能です。”分割発注”とは、本来100錠入り1箱での発注しかできないところ、小分けで売ってくれる発注方法のこと。現状1シート(10錠)からの購入ですが、今年の秋頃には1錠単位での購入にも対応予定とか。

AndroidアプリiPhoneアプリまで用意してますね(笑)


対して他の卸はどうかと言うと

発注は電話かFAXで受け(アナログ)
それを受けた卸の事務員が自社システムに入力して発注(二度手間)
納品するべき医薬品をピッキングしてコンテナに取り分け(手作業)
得意先に納品し、検品する(手作業)
もちろん土曜は当番制、もしくは休み

未だにこれです。
アナログならではの包装・規格間違いや、納品間違いがたまにあります。
(他社オンライン発注システムからの受注は可能)


かろうじてアルフレッサが食らいついているイメージですが、スズケンやKSKは今後生き残るのは難しいでしょう。他の零細卸に至っては言わずもがなです。

(なお、私はメディセオの社員でも株主でもありません、念のため)


3〜4社と取引をしている薬局がほとんどかと思いますが、取引卸の合理化で書いた通り、条件がいい卸に取引を集中させましょう。こうすることで卸業界の”淘汰”を促すことができます。

条件のいい卸は売上が増え、そのお金を設備投資や値引きなどに振り向けることができ、さらに条件がよくなる正のフィードバック。



さて、そうして”淘汰”が進めば、続いて”構造改革”が必要です。
続きはこちら→医薬品卸業界が今後求められる方向性〜構造改革〜