2012年11月14日水曜日

風邪で抗生物質を飲むな!熱も下げるな!

薬嫌いの薬剤師みやびです、こんばんは。

みなさん風邪をひいたらどうしますか?


タイトルに書いた通りですが、医学的には風邪に抗生物質は無効ですし、熱も下げない方がいいんです。なのに「風邪をひいたら病院に行け」「薬(抗生物質)は飲んだのか?」「熱があるなら下げろ」という悪習が蔓延っていることは誠に遺憾です。


風邪に抗生物質は無効


(”抗生物質”は正確には”抗菌薬”と呼ぶべきですが、一般によく使われている”抗生物質”で記載します。)

薬剤師なら必ず微生物学なり病態生理などで勉強したはずですが、風邪はウイルス性の疾患であり、抗生物質はウイルスにはまったく無効です。

じゃあ何で処方されているんだと言えば理由はふたつ。ひとつは二次感染の予防。もうひとつは単なる濫用です。

前者は、風邪で免疫が弱っているところに、さらに細菌感染をしないように予防的に抗生物質を投与しておこう、というもの。

後者は、けっこう有名な話ですが、日本は世界一抗生物質を濫用している国です。製薬企業と医師の黒い意図(いいから売れ、儲かるから)があるからなのか、患者側の無知によるもの(風邪なんだから抗生物質出してよ!)なのかは不明。

こちらの方も以前記事にされていますね。


発熱は免疫のスイッチがONの状態


熱が出るとすぐ下げようとするのもよくない習慣です。発熱それ自体は悪ではなく、むしろ風邪を治そうとする免疫のスイッチがONになった状態です。発熱している時間を長く取れば取るほど風邪が治癒に向かっている、と思ってほぼ間違いではありません。

それでも熱を下げなければいけないとしたら理由はふたつ。ひとつは熱が高すぎるとき、もうひとつはどうしても寝ていられないとき。

前者は、例えば40℃を超えるような高熱は体に負担があります。いくら免疫が絶好調でも本体がダメになっては元も子もありません。ゆえに一旦下げるのが得策です。
後者は、例えばどうしでも仕事に行かなければいけない日。風邪の治癒は遅くなること間違いなしですが、ひとまず一旦解熱薬で熱を下げればだいぶラクになります。


参考記事

異端医師の独り言 風邪薬の犠牲者
http://blog.livedoor.jp/leeshounann/archives/51411948.html



以上です。

とにかく忘れてはいけないのは、風邪は薬が治しているのではなく、自分の免疫が治しているのだ、ということ。薬にできることは対症療法のみです。

風邪をひいたら熱を下げずに、しっかり栄養を取り、必要に応じて薬(咳止めや鼻水止めなど対症薬)を服用し、あとは寝てることですね。



ちなみに個人的にはビタミンCの大量摂取を信奉しています。水溶性ビタミンなのでこまめに2時間おきに、錠剤やドリンクで1日1000〜2000mgくらい摂取しましょう。気休めですけどね。


関連記事:薬嫌いの薬剤師の持論