2013年2月15日金曜日

ロトリガ粒状カプセルが発売 押さえておくべきポイント


発売日は2013年1月10日。ちょっと今更ですがご紹介。

既に海外でも61カ国で販売されていて、27カ国で承認済。特許はノルウェーのプロノバ社のもので、日本国内での販売権を武田が取得して販売しているようです。添付文書はこちら

高脂血症治療薬の市場シェアは4300億円と言われていますが、そのうち7割超をスタチン系薬が占めていて、EPA製剤は1割超。ロトリガはEPA製剤のカテゴリーに含まれるので、エパデールのシェアを狙った医薬品であるといえます。

ロトリガについて知っておくべきポイントを以下3つにまとめました。


1.EPAとDHAの配合剤であること


ロトリガ粒状カプセル1包2g中にEPAを930mg、DHAを750mg含む。薬価は254円/包。EPA単独製剤であるエパデールS900の薬価が127円/包。ただし前者は原則1日1回服用、後者は1日2回服用なので、1日薬価は共に254円。

EPAが半量になった分DHAが入った、というイメージでしょうか。ちなみに添付文書にあるように、高TG血症には1日2回まで増量するのでこれでエパデールS900と同量のEPA。ただしコストは倍。

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サプリメントと比較してみるとEPA、DHAの含有量は5〜6倍。仮に5倍として、これを使ってロトリガと同量のEPA、DHAを摂取しようとすると、1日あたりのコストは約61円。さすがにサプリメントの方が安いみたいですね。(Amazon定期おトク便を使うと55円まで下げれます)


EPAといえば流通の問題ですが、武田薬品は難なくクリアしているもよう。なんでも原料調達をアジ、サバ、ニシン類に分散しているとか。他にもEPAを多量に含む魚は多く、未だにイワシの調達不足を理由に安定供給できていない後発医薬品メーカーは顔を洗って出直してください。

関連記事:エパデールがスイッチOTC?それより後発医薬品は?


2.TG低下作用を持つ


LDL-Cと冠動脈疾患の発症率には正の相関があり、LDL-Cを低く保つことにより心血管系の有害事象発生確率の低下が望める。しかしLDL-Cを低く保った群でも有害事象が起こり得ることからTGの低下も必要です。

ロトリガの名前の由来はLow Triglycerideの頭文字より。TGの低下作用(肝でのTG合成抑制、および血中でのTG代謝促進による)を持ちます。ただし、これはEPAの作用によるので、EPA単独製剤のエパデールでも同様。

ちなみに、市場の7割以上を占めるスタチン系薬はLDL-Cは強力に下げますが、TGの低下にはフィブラート系やニコチン酸、そしてEPA製剤が用いられます。


3.EPA製剤の効果に加えて、DHAの効果は?


脳・心保護。アルツハイマーと不整脈を有意に抑制する。また、脂質の質の改善(LDLの粒子サイズなど)もあるとか。

ただ、有名な「DHAで頭がよくなる」についてはエビデンス的には微妙かも…?




以上です。


適用の”高脂血症”に対する効果はほとんどEPAによるものじゃねーか!が正直な意見です。TGの低下作用もEPAの用量依存的に強くなるようですし、DHAが含有されている必要性を感じません。エパデールでいいんじゃない?

とはいえDHAの好影響もあるとすると、高脂血症患者は保険適用でEPAと同時にDHAが摂取できてウマーということですね。私もこの機会に始めてみようかな。最近記憶力が落ちてきたし(^^;

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