2013年12月16日月曜日

医薬品の流通過程での消費税のかけ方がオカシイ件


何度か書いていますが、改めて。医療業界における七不思議のひとつ(と個人的に考えている)医薬品の消費税問題。

簡単に言うと、100円の薬を90円で売っていたのに消費税率が上がると仕入が101円になったりする”逆ざや”が起こり得る、という問題。


原因は”非課税”などではなく”流通過程での消費税の二重課税”です



こう書くとガソリンのように国が二重課税しているように聞こえますが、実際には流通過程の計算方法に問題があります。

なお、”非課税”というカテゴリは金融・会計クラスタで何かと物議を醸していますが、ここではあえて割愛。それ以前の問題だからです。

関連記事:薬価の消費税上乗せ分を明細書に表示することによる棚ぼた効果


今の流通のイメージは

製薬企業が薬を作るため10で仕入れて80で卸に売ります。
卸が80で仕入れて85で薬局に売ります。
薬局が85で仕入れて100で患者に売ります。

こうですね。ここに消費税5%を入れると

製薬企業が薬を作るため10.5で仕入れて84で卸に売ります。
卸が84で仕入れて89.25で薬局に売ります。
薬局が89.25で仕入れて100で患者に売ります。

こうなっています。これが現状です。

消費税率5%ならまだしも、消費税逆ざや問題に薬価上げは効果なしで書いた通り(値引率にもよりますが)消費税率が15%になると逆ざやになります。


あるべき姿は

製薬企業が薬を作るため10.5で仕入れて80で卸に売ります。
卸が80で仕入れて85で薬局に売ります。
薬局が85で仕入れて100で患者に売ります。

こうでしょう。

なぜなら医薬品は”非課税”で、製薬企業が「これは医薬品です」と言い始めたところからが”医薬品”であり”非課税”になるはず。

あるいは「薬価は既に消費税込み」です。消費税込みのはずの薬価に値引率をかけた後にさらに消費税率をかけるとはどういう了見でしょうか。それとも、製薬企業−卸間では消費税は登場してなくて、卸−薬局間だけの話なんでしょうか?それなら卸が悪い。




「薬価は消費税込みであり、明細書に消費税の負担を明記する」方向で動いているようなので、方向性としては”非課税”でなくなる感じですかね。

となると必要なのは以下の二つ。


1.税抜き薬価と税込み薬価を制定する


非課税でなくなるなら流通過程で消費税率をかけることに問題はありません。ただし、消費税をかけるなら税抜き薬価にかけるべき。薬局ないし診療所で調剤するとき(最終消費)は税込み薬価で計算します。これで逆ざやは絶対に起こりません。

2.仕入税額控除を使えるようにする


非課税でなくなるなら仕入税額控除(預かった消費税から支払った消費税を差し引くこと)が使えますね。診療報酬や調剤報酬は今まで通り非課税だとしても、このうち薬剤費部分を算出するのは造作もない。その薬剤費部分でのみ消費税計算し、仕入税額控除を適用し、しかるべき消費税を納めればOK。これで消費税による損金問題は絶対に起こりません。


以上です。

もし今まで通り”非課税”カテゴリに残るとしても潰れるのは2だけで、1は可能。明細書に税負担を記載するにあたって税抜き薬価は必ず必要だからです。

まさか最終消費地点でだけ「既存薬価を(1+税率)で割った値を記載せよ」でお茶を濁すはずはないと信じています。


関連記事:消費税逆ざや問題の真の解決策