2013年12月2日月曜日

消毒用アルコールの価格がずいぶん違う件


消毒用エタノール「ケンエー」 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/260024_2615703X1450_1_03.pdf

薬局で何かと使う消毒用アルコール。こんなやつですね。
薬価が1.54円/mLなので、1本で770円もします。

やたら高いですよね。これ、実は酒税のせいです。
ちょっと計算してみましょう。


Wikipedia 酒税
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92%E7%A8%8E

25度で250,000円/kL、以降1度上がるごとに10,000円加算とのこと。
上記製品は80%溶液なので、アルコール度を80度とすると

(80-25)×10,000+250,000 = 800,000円/kL = 800円/L

1本500mLなので、400円ですね。
770円のうち400円が酒税とは!飲むわけでもないのに。

余談ですが、みりんもそうですよね。アルコールを含むため酒税がかかっていてやたら高い。みりん風調味料が売れるという馬鹿馬鹿しさ。

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宝酒造 株式会社
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これを解決する製品がこちら。


消毒用エタノール液IP 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/260024_2615705Q1048_1_02.pdf

含有するエタノール量は同じですが、添加物としてイソプロパノールを含みます。このせいで飲用不可となり、酒税対象外に。これは見事なブレークスルーですよね。みりんには適用できないので諦めてください。

薬価は0.63円/mLなので、1本500mLなら315円。確かに400円ほど安いね!

消毒用エタノールとの違いは?と聞かれると、「飲めないことです」とは言いますが、普通は消毒用エタノールも飲みませんので同じ扱いでOK。


なぜ100%エタノールではなく80%エタノールなのかと言うと、別に酒税をケチっているわけではなく、殺菌消毒作用が最も強くなるのが80%だからです。

また、イソプロパノール70%溶液の製品もありますが、イソプロパノールは日光下で酸素と反応して過酸化アセトンを生成しますし、手指の皮脂を取る作用が強く、臭いもよくありません。ゆえにエタノールに微量のイソプロパノールを混入というのがスマート。

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