2016年2月12日金曜日

2016年4月改訂で内服調剤料が減点、一包化加算が天井引き下げ


既にご存知の方多数と思いますが、次回改定の点数情報が出ましたね。


文字情報より図にした方が直感的にわかりやすいので、やってみました。以前も一包化加算が調剤料から独立したときにも似たようなことしましたね(以下記事参照)。もう6年前か、なつい。


関連記事:一包化加算 新旧比較


まずは内服調剤料。

内服調剤料

15〜21日が71点→70点
22〜30日が81点→80点
31日〜が89点→87点

グラフ上でギリギリわかるくらいの微減ではありますが、はたして影響は軽微なもので済むのでしょうか?

例えば月あたり処方せん枚数が3,000枚だとすると、1点の減点なら3,000点(30,000円)、2点の減点で6,000点(60,000円)の減収減益になります。

唯一影響を免れるのは、処方日数を7日分とか14日分とかで小刻みにしている病院(診療所?)の処方。今時なかなかいないでしょうね(^^;



続いて一包化加算。

一包化加算

処方日数57日以降は一律290点→同43日以降は一律220点

頭打ちになるのがずいぶん早くなりましたね。一ヶ月分程度の処方日数であれば影響ありませんが、二ヶ月にわたるような長期処方の一包化が多い薬局にかなりのダメージ?

290点→220点なのでマイナス70点。該当患者が月に20人いたら1,400点(14,000円)の減収減益。

長期処方の一包化は控えてほしいですね、いろんな意味で。



微減に見える内服調剤料の方が影響は大きいのではないでしょうか。それでも

(引用元:厚生労働省 社会保障②(28年度診療報酬改定、子ども・子育て)PDF

点数情報が出る前はこんな過激な図も見られましたが、ここまでの事態にはなっていないようでひと安心です。

というか、「院内処方の水準に合わせる」なんて話がそもそもおかしいですよねJK(常識的に考えて)。今まで院内でやってた業務を外注してるわけですから、タダで働く人(およびタダで場所を貸してくれる大家etc)がいない限りコストが上がるのは当然。

関連記事:「こんなの原価○円だよ?」の無意味さと、調剤技術料の必要性


仮に上図を実行すれば、生き残るのはドラッグ併設型やコンビニ併設型の「調剤も一応やってます」的な業態のみ。「部門単独では赤字だが、顧客サービスの一環でやってる。どうせ医薬品を置くために薬剤師はいないといけないし。でも給料はそんなに出せないよ、赤字だからね?」…常駐している薬剤師の質が心配ですね。

実際にはお役人もこれくらいのことはわかっているはずなので、単に脅して調剤料微減を受け入れさせる作戦だったのかな?と思います。それでも医療費全体を俯瞰すると焼け石に水ですけども。


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