2017年7月13日木曜日

ウィルソン病の治療薬ノベルジンが低亜鉛血症の適用を取得


少し前の話になりますが、ウィルソン病の治療薬であるノベルジン錠が”低亜鉛血症”の適用を新規に取得しました。


関連記事:2015年2月にノベルジン錠が発売、ウィルソン病についてざっくりと


1.低亜鉛血症とは?


その名の通り、血清亜鉛値が低い状態。血清亜鉛値が60μg/dL未満を亜鉛欠乏症と定義していて、症状としては味覚障害、皮膚炎・脱毛、性腺機能不全、食欲低下、易感染症などがあります。

味覚障害は有名ですね。今までは亜鉛を含む医薬品といえばプロマックでしたが、これにきちんとした選択肢ができることに。


関連記事:床ずれ(褥瘡)にプロマックが効く?


2.摂取できる亜鉛量は?


ノベルジン錠25mg/50mg 添付文書pdf

”成人では1回50mgを1日2回”とのことですので、100mg/日ということになります。低亜鉛.jp 低亜鉛血症とは?によると、牡蠣5粒(60g)に含有される亜鉛が7.9mgなので、食品からはとうてい摂取できない量の亜鉛を摂ることが可能に。


なお、ノベルジン錠の臨床成績としては、「低亜鉛血症によるこのような症状が◯%改善」ではなく、「血清亜鉛値がこのように上昇」という形です。そりゃそうだろという話なんですが、そもそもサンプルが少なく、症状ごとに治験をするのも非現実的だったんでしょうね。


3.コスト的にどうなの?


ノベルジンは本来はウィルソン病の治療薬です。つまりオーファンドラッグでして50mg錠の薬価が422.3円/錠と驚くほど高いです。オーファンドラッグとしての高薬価のまま新規の適用である低亜鉛血症に対して売り出すのはどうなの?と思いますね。

てわけでコストを比較してみましょう。比較対象はこちら。


ディアナチュラ亜鉛(60日)
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1粒に亜鉛14mgなので、7粒で98mg≒100mg。60粒入りなので60(粒)÷7(粒/日)≒8.57日。価格が387円なので387(円)÷8.57(日)≒45.16(円/日)

対するノベルジン錠50mgは422.3円が1日2回なので844.6(円/日)、保険で3割として253.38(円/日)+α(診療報酬など)。

当然ながらサプリの圧勝。もちろん法的にはまったく別物にはなりますが、医学的には同じものです。


なお、プロマックD錠が192(円/日)→保険3割で57.6(円/日)で、ジェネリックのポラプレジンクOD錠75mg「サワイ」だと117(円/日)→保険3割で35.1(円/日)と、なんとサプリより安くなりました。病院代と薬局代と待ち時間を考えるとさすがに負けると思いますが。


ノベルジンの今後やいかに?





ところで私は保険”適用”と書いていますが、保険”適応”と書いてあるのもよく見かけます。薬に保険を適用するわけだから保険”適用”であると思っていますが、保険という変化する制度に薬が”適応”したのかもしれません。業界団体は統一見解を。


関連記事:保険適用と保険適応、どっちが正しい?

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