2014年4月18日金曜日

本当はジェネリック医薬品なんて要らない


私は明確にジェネリック医薬品賛成派で推進派ですが、実は「本当はジェネリック医薬品なんて要らない」と思っています。

「おいおい普段あれだけ奨めといて」と言われるかもしれませんが、現状可能な打ち手の最適解というだけで、ベストとは考えていません。


結論から言うと、「先発医薬品の薬価を下げればよい」からです。ジェネリック医薬品(以下、後発医薬品と記載)が存在することによるデメリットを列挙してみます。

関連記事:後発医薬品(ジェネリック医薬品)メーカーの怠慢


1.国民(患者)への啓蒙活動の困難さ


厚生労働省や健康保険組合が、繰り返し後発医薬品の啓蒙活動を続けていますが、未だにとんでもない偏見を持っている患者は少なくありません。

叩かれることを承知であえて言うなら「大衆はバカ」なのです。もちろん賢くて理解力のある人もたくさんいますが、1億人いる国民全員の誤解と偏見を解き、理解を得るのはまず不可能。

「薬はなぜ効くか?」薬理作用のみにあらずで書いた通り、後発医薬品に対する負のプラセボ効果も手伝って「やっぱり後発医薬品は効かないじゃない」という流れも。


2.メーカー乱立による製造や流通における非効率


新しい特許切れ品目が出るたびに、ゾロゾロと数十社から発売される後発医薬品。先発医薬品メーカーまで多数参加している昨今、医薬品市場はますます混迷を極めています。

同じ成分の別商品が20も30も同時に薬価収載され、レセコン会社や卸のデータベースに入り、それぞれ生産され(でも工場は同じだったり笑)、病院や薬局に納品され、患者に渡る。

なんたらカルシウム錠と書いたりなんたらCa錠と書いたり、”小児用”を入れる位置が商品によって違ったり、独自名称だったり一般名だったり、「え、配合錠どうするの?」とか。

こんな無駄なこと、もうやめにしてほしい。


3.先発医薬品と後発医薬品の適用症の違い


後発医薬品の適用は先発医薬品と合わせろで書いた通り、後発医薬品は先発医薬品と生物学的には同等でも、保険請求上は違います。

「合わせろ」とは書きましたが、おそらく特許絡みでそういうわけにはいかないんでしょう。くだらないと思いつつも、後発医薬品は先発医薬品の下位互換である事実は変わりません。完全に代替することは不可能です。



じゃあどうすればいいか?


先発医薬品特許切れ後の薬価改定で、総括原価方式による値決めをする。

総括原価方式といえば電力会社が採用していることで一時期悪名高くなりましたが、「製薬会社に比べたら良心的な値決めだなぁ」というのが当時の私の印象です。リンク先にもあるように、「安定した供給が求められる公共性の高いサービスに適用される」わけで、製薬会社ってこれにあたると思うんです。

とはいえ特許をないがしろにするのは資本主義の理念に反するので、特許期間は大いに稼ぎ、期間満了で社会主義のフェーズに移行。特許切れ医薬品は人類の財産として赤字にならないラインで恒久的な安定供給を確保。後発医薬品というカテゴリー自体が不要に。

医療は国営化&無料化すべきでは?で書いた通り、医療は社会主義でいい。


かなり昔にも似たようなこと書いてますね↓
ずいぶん偉そうな口調で書いてて笑ってしまった(^^;

関連記事:医薬品メーカーの裏の顔